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 このたび、精神分析的サポーティブセラピー(POST)の事例検討会を発足することといたしました。「ちゃんと構造化したセラピーができていない」とか「“精神分析的”なセラピーができていない」といった思いから、なかなか検討の場に出す ことができずにいるケースを検討する場を設けることが目的の会です。

 近年、『学校臨床に役立つ精神分析』、『学校臨床に生かす精神分析』といった書籍が公刊されているように、コミュニティにどう精神分析的に関わるについては学ぶ機会が増えてきています。 しかし、その陰に隠れる形で、「マネージメ ント」「ふつうの面接」「力動的心理療法」「カウンセリング」などと呼ばれてきた、精神分析的理解に基づきつつ、転移解釈に焦点を当てず、適応を改善するためには助言なども厭わない形の心理療法=精神分析的サポーティブセラピー Psychoanalysis Originated Supportive Therapy : POSTを学ぶ機会はいまでも十分ではありません。

 私たちはこのPOSTの入門書、『精神分析的サポーティブセラピーPOST入門』を2023年に出版、「たたき台としてのPOST」を提案しました。そこで提示したのはあくまで私たちのPOSTであり、完成形ではありません。全国津々浦々で日々POSTを営んでいる臨床家とともに、POSTを精錬させていきたいと思っています。そのため、2022年度から、実際にケースを検討する機会を設けています。

 今自分のやっていることは意味があるようにも思うのだけど、教科書には書いてないので自信が持てない……。そんな方のご参加、 お待ちしています。もちろん、意味がないのではないか、と悩んでいる方のご参加も歓迎です。

岩倉拓・関真粧美・山口貴史・山崎孝明

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